2005年6月号「初代リーダーの気まぐれコラムU」
今月は初代リーダーの気まぐれコラムをお伝えします。

「おびき」が誇る太鼓 T

みなさん太鼓の胴の部分の木を、ご存知でしょうか?

太鼓の多くは欅(けやき)の木で出来ています。
そして欅以外は「目有り」と言って、欅の木とそれ以外とで大きく区別されます。
欅以外の太鼓は使用・時の経過により、
胴の部分に「ささくれ」や「割れ」が生じてしまい、長持ちしないと言われています。
また欅以外の木は材質がやわらかく、
音の反響面においても欅に比べると弱いと言われます。
そんなことから欅以外の木を「雑木」と言ったりもするほど、
欅の木の太鼓は価値が高いのです。
また欅の木の太鼓は堅くて丈夫であるため「何百年も持つ」と言われます。

御響には3尺の欅の大太鼓があります。
欅の3尺の太鼓と言ったら、なかなか手に入る代物ではありません。
日本においては3尺の太鼓を作れるような欅の木の多くは、
国や県の指定物となっており、現在はなかなか入手できないと思われます。
また日本に大きな太鼓は数多くあれど、
欅の太鼓はそんなに多くはないと思います。

この大太鼓は御響が誇る太鼓なのです。(^^)v

「おびき」が誇る太鼓 U

そして御響が自慢する太鼓のもう1つが,
左の写真にあります。

この写真は太鼓の胴の中に書かれている墨書なのですが、
江戸時代の太鼓屋(屋号)で最も有名なあの「太鼓屋又兵衛」の太鼓なのです。
見難いと思いますが、左側に太鼓屋又兵衛と書かれているのが見えますよね?
太鼓屋又兵衛は摂州大坂渡辺村で太鼓屋として繁栄した太鼓職人で、
「世事見聞録」にもその栄えた様子が書かれています。


『大坂渡辺の穢多に、太鼓屋又兵衛といえるは、
およそ七十万両ほどの分限(ぶげん)(富豪)にて、
和漢の珍器倉庫に充満し、奢侈(しゃし)大方ならず。
美妾女も七、八人ありという。
これに継ぎたるもの段々ありて、豪福数十人あり』 (「世事見聞録」)



また当時、大阪城の御時太鼓として使用する中径4尺余りの太鼓を作ったのも
太鼓屋又兵衛であると言われています。 すごいですね。(^^


※他にも江戸期を代表する太鼓職人として、
「京都天部村太鼓屋理右衛門」「大坂渡辺村河内屋吉兵衛」
「大和西之坂太鼓屋喜兵衛」
「江戸浅草新町丸山三右衛門」等がいます。

さて、太鼓屋又兵衛によってこの太鼓が作られたのは江戸時代。
江戸時代の太鼓は現代の太鼓のように機械でくり抜いたものではなく、
手作業でくり抜かれた太鼓です。

もちろん、写真の太鼓も、その江戸時代作品の一つなのです。

そしてこの太鼓屋又兵衛の太鼓には特徴があります。
それは現代の長胴太鼓とは少し異なり、
太鼓の胴のふくらみが非常に豊かであることがあげられます。
そして200年以上もの年月を経た太鼓の音色は、とてもすばらしい。
なんと表現してよいのか言葉が見つかりません。
師匠の「木は生きている」、という言葉が、とても重く感じられます。


太鼓のストラティバリウス。 なんてね。^^;(笑)
この太鼓屋又兵衛の太鼓は御響が誇る太鼓なのです。(^^)v